食とカラダの基礎知識

運動中の水分補給について

よく聞いたことがあるかもしれませんが、人間の体の約60%は水分です。
この水分は体内で大きく分けると3つの働きをしています。
1つ目は溶解作用。体内の物質を水に溶かして生きていくために必要な化学反応を体の中で行っています。2つ目は運搬作用。栄養物質を体の隅々まで運んだり、老廃物を体の外へ排泄しています。3つ目は体温調節。気温や室温が下がっても体温が下がらないよう調節されていたり、体温が高くなると汗をかいて熱を外に逃がし調整しています。

さて、この水分が失われると体にどのような影響があるのでしょう?

水分が失われるとのどの渇きや、発汗などで体からのサインが現れますが、体重のわずか3%の水分量(60kgの人で言えば1.8㎏、約2リットル)
失われると汗がいったん止まります。これは、水分が少なくなり体を正常に維持できなくなったサインです。これを超えると、頭痛やめまい、けいれんなどを引き起こします。

このようにのどの渇きを感じてからの水分補給では遅いとよく言われております。そのため、定期的に水分補給を行うことが大切です。
では、どのぐらいの頻度でどのぐらいの量の水分補給を行うべきなのでしょうか?

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それは、まず運動開始の20~40分前に250~500ml(ペットボトル一杯分)程の水分をとりましょう。
そして、運動中は15分おきにコップ一杯分、つまり1時間に4回、合計500~1000ml(約1リットル)の水分補給が良いと言われております。もちろん、これはあくまでの目安であり、気象状況や気温、運動の強度等の状況によって摂取する水分量を変更することは必要です。摂取する水分の温度は低い方が体温の上昇を抑えることができ、また、環境温度より低い方が飲みやすいので、15度前後の水分温度がおすすめです。

水分の補給は水ではなく、スポーツドリンクの方が適しています。なぜならば、汗にはナトリウムや塩素、カリウムなどが含まれているため、それらを補給することができる飲料を選ぶべきなのです。

水分補給が適切だったかどうかのチェックはなんと運動後の尿でできます。運動後約一時間程で尿意を感じ、色の薄い尿が出れば水分補給は成功。ただし、運動後2時間以上たっても尿意がなかったり、尿の色が濃く量が少ないと水分補給が少なかったといえます。