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プロテインを飲むタイミングは?正しい飲み方で筋トレ効果アップ!

「筋力トレーニングの効果を高めたい」「美しいボディラインを維持したい」と考えている方の中には、プロテインを飲むことを検討している方が多くいます。それでは、プロテインを効率よく摂取するためには、どのタイミングで飲むとよいのでしょうか。

この記事では、プロテインの基礎知識やプロテインを飲むことで期待できるメリットを踏まえて、プロテインを飲むベストなタイミングについて解説します。プロテインの正しい飲み方も併せて確認し、男性も女性も効率的かつ効果的に体を鍛えましょう。

プロテインを飲むタイミングは?正しい飲み方で筋トレ効果アップ!

1.プロテインとは?どんな種類がある?

「プロテイン(protein)」は英語で「たんぱく質」を意味する言葉ですが、日本では多くの場合、「プロテインパウダー」のことを指しています。プロテインパウダーとは、たんぱく質を効率よく摂取できる食品であり、水や牛乳、豆乳などに溶かして飲むことが一般的です。

プロテインの利用は、食事の量を大幅に増やさずにたんぱく質を手軽に摂取したい方におすすめの方法です。プロテインにはいくつか種類があるため、特徴を踏まえた上で目的に合ったものを選びましょう。

■代表的なプロテインの種類と特徴

動物性プロテイン
プロテインの種類 ホエイプロテイン カゼインプロテイン
特徴
  • 牛乳由来の原料
  • 必須アミノ酸やBCAAを含む
  • 牛乳由来の原料
  • グルタミンを含む
摂取が向いている方 筋肉を鍛えたい方 ダイエットに活用したい方
植物性プロテイン
プロテインの種類 ソイプロテイン
特徴
  • 大豆由来の原料
  • 大豆イソフラボンを含む
摂取が向いている方 美容とダイエットを両立したい方

1-1.プロテインを飲むことでどうなる?

プロテインの主成分であるたんぱく質は、筋肉や皮膚、髪の毛、爪などといった人間の体の様々な部位を作るために重要な成分です。たんぱく質不足となると筋力が低下し、体質によっては体調不良を起こしやすくなったり、ケガの治りが遅くなったりする可能性があります。そのため、意識してたんぱく質を摂取するようにしましょう。

たんぱく質は、主に肉や魚、卵、大豆製品、乳製品といった食品から摂取できます。下記のたんぱく質量を目安として、毎日きちんと摂取しましょう。

■1日におけるたんぱく質の必要量(目安)

  • 摂取するエネルギーの13~20%程度
  • 成人男性は60gほど
  • 成人女性は50gほど

※体重1kgあたり1gを目安に摂るとよい(例:60kgの方の場合は約60g)

【食品に含まれるたんぱく質量の目安(100gあたり)】

  • ゆで鶏ささみ:29.6g
  • プロセスチーズ:22.7g
  • 目玉焼き:14.8g

出典:食品成分データベース「食品成分ランキング」

筋トレやスポーツ、ダイエットのための運動などで体に負荷をかけている方は、体内でのたんぱく質の消費が多くなるため、上記の目安量よりも多くのたんぱく質が必要です。実際の運動量にもよりますが、しっかりと筋肉をつけたい方、激しい運動をしている方は、「体重1kgあたり2g」を目安としてたんぱく質を摂取するとよいでしょう。

しかし、体重1kgあたり2gといった量のたんぱく質を食品から摂取することは、簡単なことではありません。ダイエット中であれば、脂質(脂肪)や糖質(炭水化物)、摂取カロリーが気になる方も多いでしょう。栄養管理や食事制限を行いながら、たんぱく質を積極的に摂取したい方は、たんぱく質を手軽に摂取できるプロテインをぜひ活用してください。

1-2.プロテインを摂取する目安量は?

プロテインの目安量を考える際は、1日のタンパク質必要量を求める必要があります。1日のタンパク質必要量は、運動習慣の有無などで個人差があるため、自分自身はどの程度必要であるかを把握しましょう。

1日のタンパク質必要量を、「健康な身体を維持したい方」と「身体を鍛えたい方」の2通りに分けて解説します。

●健康な身体を維持したい方

健康な身体を維持したい方の場合は、厚生労働省が公表する下記の計算式に基づいて、1日のタンパク質必要量を計算しましょう。なお、「新生組織蓄積量」については、身体が成長期にある小児や妊婦の方である場合にのみ計算に用います。

推定平均必要量 = 維持必要量 + 新生組織蓄積量

引用:厚生労働省「1―2 たんぱく質」

1日の維持必要量は、体重1kg当たり0.66gとなります。つまり、体重65kgの成人男性であれば、1日のタンパク質必要量は、0.66g×65=42.9gです。

●身体を鍛えたい方

身体を鍛えたい方の場合は、推定平均必要量以上のタンパク質を摂取することが必要です。

運動をしている方や筋肉量を増やしたい方の1日のタンパク質必要量は、体重1kgにつき1.5〜2.0gが目安とされています。計算式で表すと下記の通りです。

1日の必要量 = 目安の必要量(1.5~2.0g/kg)× 体重(kg)

体重65gの成人男性であれば、1日の必要量は、1.5〜2.0g×65=97.5〜130gです。

タンパク質は毎日の食事から摂取もできます。肉・魚などの食材から良質なタンパク質を取り、足りない分のタンパク質をプロテインで摂取しましょう。つまり、「食品由来のタンパク質では足りない分」がプロテイン摂取の目安量です。

タンパク質が多い食材は?1日に必要な摂取量・簡単なメニューも解説

たとえば身体を鍛えたい体重65kgの成人男性が、1日に60gのタンパク質を食事から摂取する場合、37.5〜70gのタンパク質をプロテインで補えばよいでしょう。

2.プロテインを飲むベストなタイミング

プロテインは、水や牛乳などに溶かすだけで簡単に飲むことができるため、自分の好きなタイミングで利用しやすい食品です。しかし、飲むタイミングや活用する時間帯によって、プロテインに含まれるたんぱく質が体内に吸収される効率が若干異なるため、注意が必要です。

それでは、たんぱく質を効率よく吸収するためには、どのようなタイミングでプロテインを飲むとよいのでしょうか。プロテインを飲む様々なタイミングと、それぞれのタイミングで期待できる効果を確認し、自分の目的に合ったタイミングでプロテインを活用しましょう。

2-1.【運動後30分以内】筋力アップをサポート

筋肉量アップや筋力向上を目指している方は、「ゴールデンタイム」ともよばれる「運動後30分以内」にプロテインを飲むことをおすすめします。これは、筋トレやスポーツなどといった激しい運動の後には、筋肉を構成している筋繊維が傷つくといわれているためです。

筋繊維が傷つくと、これを修復しようとして筋繊維を作るたんぱく質の合成量が増加します。筋繊維を作るタイミングで材料が不足していては、筋繊維がうまく修復できません。

筋繊維を修復するタイミングでプロテインを飲み、たんぱく質を補給できれば、効率よくたんぱく質を体内に吸収できるため、筋繊維の早い修復や増強サポートが見込めます。トレーニング終了後は、30分以内を目標にホエイプロテインが多く配合されたプロテインを飲み、たんぱく質を補給しましょう。

2-2.【食前】朝食メニューに加えると効果的

朝の起床直後は、水分不足・栄養不足の空腹状態であるという方が多いでしょう。朝食のタイミングでプロテインを飲むと、不足しているたんぱく質を効率よく体内に吸収できます。ホエイプロテインやカゼインプロテインといったたんぱく質を、朝食メニューとして積極的に取り入れましょう。

卵を使ったオムレツや焼き魚、鶏ササミのサラダなど、たんぱく質が豊富な朝食であれば、プロテインは補足程度の量でも差し支えありません。パンやシリアルなど、たんぱく質の量が少なく栄養が偏った軽い朝食メニューが多い方は、1日のたんぱく質摂取目安量を考慮し、プロテインの量を調節してください。

2-3.【食後・間食】不足しがちな栄養素を補給

「現在の食事だけでは栄養バランスが気になる」といった方は、不足しがちな栄養素を補給するために、食後にプロテインを摂取することをおすすめします。プロテインは食前に飲むこともできますが、プロテインだけで満腹感を覚えてしまい、適切な食事量をキープできない方は、食後に摂取するようにしましょう。

ダイエット目的で間食を制限している方は、空腹対策や栄養補給として、おやつ代わりにプロテインを活用することも1つの方法です。間食としてプロテインを取り入れる場合、運動を始める約1時間前にプロテインを摂取すると、運動後の筋肉の効率的な回復に繋げることができます。

2-4.【就寝前】たんぱく質を効率的に吸収

筋肉量増加や筋力アップを目標にしている方や、ボディメイクのために筋肉を鍛えている方は、就寝前のプロテインがおすすめです。

たんぱく質は、筋組織を構成する材料であるとともに、筋肉の成長を促進する「成長ホルモン」の働きを促す役割を果たしています。成長ホルモンは就寝中に多く分泌されるため、就寝前にプロテインを飲むことで、効率的な筋肉の成長に繋がります。

就寝前にプロテインを飲む場合、飲むタイミングに注意してください。就寝直前にプロテインを摂取すると、消化吸収がうまくいかず、胃や腸といった消化器官に負担をかけるリスクがあります。就寝の30分〜1時間ほど前には、プロテインの摂取を済ませましょう。

3.プロテインの正しい飲み方

パウダータイプ(ドリンクタイプ)のプロテインは、商品のパッケージに表示されている割合を参考にして、水や牛乳といった飲料で溶かして飲みましょう。ここでは、プロテインの正しい摂取方法や飲むときのコツを紹介します。

(1)水や牛乳を入れ、シェーカーでよく溶かす

水や牛乳などに加えたプロテインは、スプーンなどで混ぜただけではダマができやすくなり、飲みにくくなってしまいます。専用のシェーカーなど、蓋つきでこぼれにくいタイプの容器を使ってよく振り混ぜましょう。プロテインの粉末は沈殿を起こしやすいため、溶かした後はすぐに飲むことをおすすめします。

(2)飲みにくいときは水や牛乳以外の飲み物で溶かす

プロテインを水で溶かすと本来のフレーバーを楽しむことができ、牛乳や豆乳で溶かすと腹持ちがよくなるというメリットがあります。一方で、人によっては水や牛乳といった飲料で溶かすと、飲みにくいと感じる場合があるため注意が必要です。

水や牛乳、豆乳などでは飲みにくいと感じたときには、オレンジジュースに代表される柑橘系のジュースや、スポーツドリンクなどを活用しましょう。たんぱく質以外にもクエン酸や糖分などの成分を摂取できるため、疲労感があるときにもおすすめです。

4.プロテインを飲むメリットは?

プロテインは、ダイエットや筋トレに取り入れることで、さまざまな効果が得られます。プロテインを飲むべきか迷っている方は、プロテインで自分が求める効果を得られるかどうかをチェックしましょう。

以下では、プロテインを飲む代表的なメリットを4つ挙げ、どのような方におすすめかについても解説します。

4-1.どこでも手軽にタンパク質を摂取できる

タンパク質を豊富に含む食材は、基本的に摂取前に調理の必要があります。タンパク質を取りたいと考えていても、仕事や家事などに追われて調理の時間が取れない方は多いでしょう。

プロテインは調理の手間がかからず、どこでも手軽にタンパク質を摂取できる点がメリットです。プロテインバーやプロテインドリンクはそのまますぐに飲食ができ、パウダータイプのプロテインも水や牛乳に溶かすだけで飲めます。

プロテインは携帯性に優れていて、バッグや容器に入れて持ち運べる点も特徴です。外出先やトレーニング終了後にプロテインを取り出して、タンパク質をすぐに摂取できます。

4-2.食事では補いきれないタンパク質を補える

トレーニングで身体を鍛える方は、タンパク質必要量が多くなるため、食事だけで十分なタンパク質を摂取することは難しいと言えます。

たとえば、97.5〜130gのタンパク質を摂取するためには、鶏むね肉(皮なし・生)であれば400〜500gの摂取が必要です。タンパク質を意識した食事を続けられる場合はよいものの、仕事が忙しく食事を抜いてしまうとタンパク質が不足してしまいます。

プロテインは、食事では補いきれないタンパク質を補える点がメリットです。サラダやシリアルなどの食事でタンパク質の摂取量が少ない方も、プロテインを飲めば不足分を補えるだけのタンパク質を摂取できます。

4-3.傷ついた筋肉を修復できる

トレーニングによって筋肉に負荷がかかると、筋肉の中にある筋線維が傷つきます。プロテインは傷ついた筋線維を修復して、より強い筋肉作りにつながる点がメリットです。

激しい筋トレをした翌日に、鍛えた部位の筋肉痛に悩まされた方も多いのではないでしょうか。激しい筋トレをすると筋肉痛になる理由は、筋線維がダメージを受けて炎症を起こすためと言われています。

プロテインで効率よくタンパク質を摂取すると、傷ついた筋肉の回復を助けることができます。トレーニングの効果を高めたい方は、プロテインの摂取がおすすめです。

4-4.むくみや美容に効果がある

プロテインは身体を鍛える目的で摂取するケースが多いものの、実はむくみや美容にも効果があります。

むくみが発生する原因の1つが「タンパク質の摂取不足」です。タンパク質の摂取が不足すると、血管内外の浸透圧を調節する「アルブミン」というタンパク質が減少してしまい、むくみが発生しやすくなります。プロテインでタンパク質を摂取すれば、アルブミンの働きによってむくみの改善が期待できます。

また、プロテインが美容によい理由は、皮膚・髪の毛・爪といった部位はタンパク質で構成されているためです。プロテインでタンパク質を体内に取り込むことで、肌荒れや髪のパサつきを防ぎやすくなります。

5.プロテインを飲むときは過剰摂取に注意!

プロテインを飲むことは多くのメリットがあるものの、摂取しすぎると身体に不調が出る可能性もあります。プロテインを飲み始める方は、過剰摂取のリスクを知った上で、摂取量に気を付けて適量を飲むことが大切です。

最後に、プロテインの過剰摂取によって起こり得る問題や身体の不調について解説します。

5-1.カロリーオーバーにつながる可能性がある

プロテイン製品は基本的に、低カロリー・低脂質・高タンパクであるものの、カロリーがゼロというわけではありません。プロテインを過剰摂取するとカロリーオーバーとなり、太ってしまう可能性もあります。

また、パウダータイプのプロテインを牛乳に溶かして飲む方は、牛乳のカロリー・脂肪分にも注意してください。普通牛乳100gあたりの栄養価は、カロリー67kcal・脂肪3.8g・タンパク質3.3gです。大量のプロテインを溶かすには多くの牛乳を必要とするため、牛乳によってカロリーや脂肪を過剰摂取する可能性もあります。

出典:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)」

プロテインを飲んで摂取カロリーがオーバーしないか心配な方は、1日に必要なカロリー量を把握することがおすすめです。

あなたが1日に必要なカロリーの計算方法を解説

5-2.内臓に負担がかかる可能性がある

プロテインを過剰摂取すると、内臓に負担がかかる可能性があります。プロテインの主成分であるタンパク質は、腸内に生息する悪玉菌が好むエサであるためです。

腸内細菌は大きく分けて「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」の3種類があり、悪玉菌とは人体の健康を害する細菌のことです。身体に吸収されないまま腸内に送られたタンパク質は、悪玉菌によって分解されて硫化水素やアンモニアなどの毒素を作り出し、腸内環境の乱れにつながります。

また、悪玉菌が増えることによって善玉菌が減少してしまう点も、腸内環境が乱れやすくなる原因です。吸収されなかったタンパク質は身体に害を及ぼす点に留意して、プロテインの摂取は適量を守りましょう。

5-3.プロテイン以外の成分に注意する

プロテイン製品には、タンパク質(プロテイン)以外にも、さまざまな成分が配合されています。代表的な成分が、下記のようなビタミン・ミネラルです。

主なビタミンの例 主なミネラルの例
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンD
  • パントテン酸
  • 葉酸

など

  • 鉄分
  • 亜鉛
  • カリウム
  • カルシウム
  • ナトリウム

など

ビタミン・ミネラルは、体内で消化や吸収が行われる際の補酵素として働きます。身体がタンパク質を吸収する上で欠かせない栄養成分です。

しかし、ビタミン・ミネラルも過剰摂取すると「過剰症」として身体に悪影響が出る可能性があります。特に妊娠中の方や、ビタミン・ミネラルのサプリメントを日常的に利用している方は、プロテインによってビタミン・ミネラルを過剰摂取しないように注意してください。

まとめ

プロテイン(プロテインパウダー)は、効率よくたんぱく質を補給するための食品です。体を鍛えている方やダイエット中の方は、目的に応じた種類のプロテインを選び、適切なタイミングで摂取しましょう。パッケージに記載された分量を水や牛乳といった飲み物に入れて、シェーカーでよく溶かすことがプロテインを美味しく飲むための基本ポイントです。

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