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タンパク質が多い食材は?1日に必要な摂取量・簡単なメニューも解説

タンパク質は、筋肉を作るために摂取すべきエネルギー産生栄養素の1つです。タンパク質が多い食材を食事に取り入れることで、理想のボディラインを目指すことができます。効率よく体を鍛えるためには、タンパク質を摂取する重要性や1日に必要な摂取量について知っておくことが大切です。

当記事では「タンパク質が筋トレ効果を高める理由」と「タンパク質が多く含まれる食材」について解説します。手軽にタンパク質を摂取できる簡単なレシピも紹介するため、ぜひ作ってみてください。

タンパク質が多い食材は?1日に必要な摂取量・簡単なメニューも解説

1.スポーツ・筋トレ後にタンパク質を摂取すべき理由

タンパク質は、人間の体を作るために欠かせない栄養素です。摂取されたタンパク質は、筋肉・骨・血液を作るために使われます。

筋肉は激しい運動により分解され、タンパク質を吸収することで筋肉量の維持と強化を行うことが特徴です。タンパク質が不足すると「肌のうるおい不足」「髪の毛のパサつき」「免疫力の低下」を招きやすくなるため、スポーツ・筋トレ後は積極的にタンパク質を摂取しましょう。

2.タンパク質が多く含まれる食材は?含有量も紹介

野菜類・いも及びでん粉類は、食物繊維やビタミン類が豊富です。一方で、タンパク質含有量は少ない傾向にあります。タンパク質を多く含む主な食材は、下記の5つです。

  • 肉類
  • 魚介類
  • 卵類
  • 乳製品
  • 豆類

これらの食材は、アミノ酸スコア(タンパク質量と必須アミノ酸のバランスを示す数値)が高く、健康維持や筋力アップ効果が期待できます。

18~64歳で身体活動レベルが普通の人のタンパク質推奨摂取量は、下記の通りです。

1日あたりのタンパク質の推奨量(男性)
18~29歳 30~49歳 50~64歳
86~133g/日 88~135g/日 91~130g/日
1日あたりのタンパク質の推奨量(女性)
18~29歳 30~49歳 50~64歳
65~100g/日 67~103g/日 68~98g/日

出典:厚生労働省「「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書」

タンパク質の必要量は、年齢や身体活動レベルによって異なります。身体活動レベルが高い人が健康と美容を維持するためには、身体レベルが低い人よりも多くのタンパク質が必要です。

ここからは、食品分類別にタンパク質が多い食材について解説します。なお、タンパク質量は、文部科学省の「日本食品標準成分表」を参考にしています。

出典:文部科学省「第2章日本食品標準成分表PDF(日本語版)」

2-1.肉類

肉類のタンパク質含有量は、下記の通りです。

食材 可食部100gあたりのタンパク質量
鶏むね肉(皮なし・生) 24.4g
豚ロース肉(赤肉・生) 22.7g
牛もも肉(赤肉・生) 21.3g

鶏肉は、皮があると脂質量が多くタンパク質が少なくなります。摂取カロリーを抑えたい場合は、皮なしの鶏肉を選びましょう。豚肉・牛肉は、脂身がない部位を選ぶことがポイントです。

肉類には、赤血球を作り出す「鉄分」、炭水化物の代謝に必要な「ビタミン類」、タンパク質の吸収に必要な「ミネラル」も豊富に含まれています。

2-2.魚介類

魚介類のタンパク質含有量は、下記の通りです。

食材 可食部100gあたりのタンパク質量
くろまぐろ(赤身) 26.4g
しろさけ(生) 22.3g
あまえび(生) 19.8g

魚介類には、肉類と同じように豊富なタンパク質が含まれています。肉類に比べて筋の部分が少ないため、消化しやすいことが特徴です。魚介類を食べると、タンパク質だけでなく「不飽和脂肪酸(DHA・EPA)」などの栄養素も一緒に摂取できます。

2-3.卵類

卵類のタンパク質含有量は、下記の通りです。

食材 可食部100gあたりのタンパク質量
鶏卵(生) 12.3g
ピータン 13.7g
うずら卵(生) 12.6g

卵は「食物繊維」「ビタミンC」以外の栄養素をすべて含むことから、完全栄養食と呼ばれるほど栄養価に優れています。また、肉類に比べて脂肪量が低い食材です。

卵黄には「ビタミンA」「ビタミンE」が多く、卵白には「ビタミンB2」「カルシウムが豊富に含まれています。

2-4.乳製品

乳製品のタンパク質含有量は、下記の通りです。

食材 可食部100gあたりのタンパク質量
普通牛乳 3.3g
ヨーグルト(低脂肪無糖) 3.7g
プロセスチーズ 22.7g

牛乳のタンパク質には、カルシウムの吸収を助ける「カゼインホスホペプチド」や鉄分の吸収を調節する「ラクトフェリン」も含まれています。牛乳が苦手な人は、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を食事に取り入れながら、良質なタンパク質を摂取しましょう。

2-5.豆類

豆類のタンパク質含有量は、下記の通りです。

食材 可食部100gあたりのタンパク質量
大豆(全粒・国産・黄大豆・乾) 33.8g
木綿豆腐 6.6g
納豆(糸引き納豆) 16.5g

「畑の肉」と呼ばれる大豆には、タンパク質が豊富に含まれています。また、タンパク質のほかに「食物繊維」「ビタミンB群」「ビタミンK」「カリウム」などの栄養素も豊富です。

ただし、豆類に含まれる植物性タンパク質は、肉類や魚介類に含まれる動物性タンパク質に比べて体内への吸収率がやや劣ります。植物性タンパク質だけに頼らず、動物性タンパク質もバランスよく摂取することが大切です。

3.タンパク質の多い食材を使った簡単なメニュー3つ

タンパク質が含まれる食材はさまざまにあります。無理なくタンパク質を摂取するためには、食材をうまく組み合わせることがポイントです。手軽に作れるメニューを参考にしながら、効率よくタンパク質を摂取しましょう。

ここでは、タンパク質が多い食材を使った簡単メニューを3つ紹介します。

3-1.ささみチーズ焼き

味が淡白なささみは、コクがあるチーズとの相性が抜群です。

【1人前の食材・調味料】

  • ささみ:100g
  • 大葉:1~2枚
  • パルメザンチーズ:大さじ1
  • サラダ油:小さじ1/2
  • ○塩:少々
  • ○片栗粉:大さじ1/2
  • ○酒:大さじ1/2
  • ○こしょう:少々

【作り方】

(1)
  • ささみを2~3等分に斜めに切り、「○」を加えて揉み込む
  • 大葉を千切りにする
(2)
  • サラダ油を熱したフライパン(中火)で、ささみを両面焼く
(3)
  • 中に火が通り両面に焼き色がついたら、細かく切った大葉とパルメザンチーズを入れて混ぜ合わせる

ささみはしっかり火が通るように、同じ厚みで切りましょう。

3-2.明太子オムレツ

卵料理のレパートリーを増やしたい場合は、明太子とチーズを組み合わせたふわふわチーズスフレオムレツがおすすめです。

【1人前の食材・調味料】

  • 卵:2個
  • スライスチーズ(溶けるタイプ):30g
  • 牛乳:大さじ2+小さじ2(ソース用)
  • 明太子:1/2腹分
  • マヨネーズ:大さじ2
  • バター:15g
  • 塩こしょう:少々

【作り方】

(1)
  • 明太子・マヨネーズ・牛乳を混ぜてソースを作る
(2)
  • ボウルに卵黄・牛乳・塩こしょうを入れて混ぜ合わせる
  • 卵白はツノが立つまでミキサーで混ぜる
(3)
  • (2)の2つをふんわりと混ぜる
  • バターを熱したフライパン(中火)に流し入れ、弱火にして2分焼く
(4)
  • (3)の上半分にスライスチーズをのせて、半分に折りたたむ
  • 蓋をして弱火で3分焼き、オムレツを器に取り出す
  • (1)のソースをかける

作業をスムーズに進めるために、卵黄と卵白をあらかじめ分けておきましょう。

3-3.豆腐と牛肉のキムチ炒め

動物性タンパク質・植物性タンパク質を一緒に摂取したい人には、豆腐と牛肉のキムチ炒めがおすすめです。

【1人前の食材・調味料】

  • 牛肉(薄切り):50g
  • 木綿豆腐:60~70g
  • キムチ:60~70g
  • 長ネギ:1/6本
  • ゴマ油:大さじ1/3
  • 万能ねぎ:適量
  • ○酒:大さじ1/3
  • ○ニンニクチューブ:1~2cm
  • ○塩こしょう:少々
  • ●みりん:大さじ1/3
  • ●白だし:小さじ1/3

【作り方】

(1)
  • 木綿豆腐をキッチンペーパーで包み、600Wの電子レンジで1分加熱し、一口大にちぎる
  • 牛肉を食べやすい大きさに切り、「○」を揉み込む
  • 長ネギを1cm幅に切る
(2)
  • ゴマ油を熱したフライパンで(1)の牛肉を炒める
  • 牛肉の色が変わったら1cm幅に切った長ネギを加えてさらに炒める
(3)
  • 牛肉に火が通ったら、木綿豆腐・キムチ・「●」を加えて炒める
  • 器に盛りつけたら小口切りにした万能ねぎを散らす

辛味が苦手な人は、キムチの量を調整しましょう。

まとめ

タンパク質は、体を作るために必要な栄養素です。タンパク質が不足すると、筋肉量の維持や強化ができないだけでなく、肌のうるおい不足や免疫力低下の原因となります。

体に必要なタンパク質量を十分に摂取するためには、肉類・魚介類・卵類・乳製品類・豆類などのタンパク源をバランスよく食生活に取り入れることがポイントです。食材をうまく組み合わせることで、無理なくタンパク質を摂取できます。手軽にできる簡単メニューを参考にしながら、手軽においしくタンパク質を摂取しましょう。