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チートデイには効果がある?チートデイの正しいやり方と注意点

運動や食事制限などのダイエットを続けることで、健康や美しさを手に入れることができます。無理なくダイエットを続けるためには、チートデイをうまく取り入れるのがポイントです。しかし、チートデイのやり方に誤りがあると、ダイエット効果は下がります。チートデイを設けるにあたり、まずは目的や正しいやり方について知識を深めておきましょう。

当記事では、チートデイのメリットやタイミングなどについて解説します。チートデイを実施する際の注意点にも触れるため、効果的に痩せたい人は、ぜひ参考にしてください。

チートデイには効果がある?チートデイの正しいやり方と注意点

1.チートデイとは?

チートデイとは、ダイエット期間中に設ける「好きなものを自由に食べる日」のことです。ダイエットを続けていると、急に体重が変化しなくなる「停滞期」に入るときがあります。停滞期に入った身体は食事制限をしても、運動量を増やしても、なかなか体重を落とせません。

ダイエットの停滞期に悩んでいる方はチートデイを取り入れてみましょう。チートデイをうまく使えば停滞期を切り抜けられる可能性があります。

1-1.チートデイのチートの意味

「チート」には「ズルをする、だます」という意味があります。チートデイ(cheat day)を直訳すると「ズルをする日」のことです。

体重を落とすには摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくする必要があり、ダイエット中は原則としてカロリー制限を厳守します。

しかし、チートデイは好きなものを自由に食べてよい日です。ダイエット中に我慢していたスイーツやご飯・おかずも、チートデイであれば食べても構いません。

ダイエット中にもかかわらず、カロリー制限を意識せず好きなものを自由に食べる日であることから、「ズルをする日」を意味する「チートデイ」と呼ばれています。

1-2.チートデイの仕組み

チートデイで停滞期を切り抜けられる仕組みには、人体の「ホメオスタシス(恒常性)」が関係しています。

ホメオスタシスとは、身体内部や外部に変化が起きた場合にも、身体を変化に適応させて生命活動を維持しようとする脳の機能のことです。

出典:厚生労働省「ホメオスターシスについて」

ダイエット中にホメオスタシス効果が働くと、脳はカロリー制限の状態に適応するために身体の基礎代謝量を減らし、消費カロリーを抑えます。結果として訪れるものがダイエット停滞期です。

チートデイは、カロリー制限の解除によって「摂取カロリーが十分にある」と脳をだまして、身体の基礎代謝量を落とさないようにします。

ダイエット停滞期に入ることを防ぎ、効率のよいダイエットを続けるには、適切なタイミングでチートデイを設けることが重要です。

2.チートデイの効果とメリット

チートデイはダイエットの停滞期を防ぐ効果以外にも、さまざまな効果が期待できます。

ダイエットで悩みを抱えている方は、以下で紹介するメリットを参考にして、チートデイの導入を考えてみるとよいでしょう。

2-1.基礎代謝の維持を図る

ダイエット中にチートデイを設けるメリットは、基礎代謝を維持できることです。基礎代謝は、呼吸や体温の維持などに必要なエネルギーで、何もしていない状態でも消費されます。

ダイエットのために食事制限をすると、摂取カロリーが減って体内の基礎代謝や筋肉量が落ちてしまいます。ダイエットの効率を高めるには、チートデイで定期的にエネルギーを補い、基礎代謝低下を防ぐことがポイントです。

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2-2.ダイエットのストレスを発散する

チートデイは、ダイエット中のストレスの発散につながります。ダイエット中は、甘いものや脂質が多いものなどを控える人がほとんどです。好きな食べ物を我慢する生活は、長くなるにつれてストレスが溜まりやすくなります。ストレスが原因で、やけ食いやドカ食いをしてリバウンドする人も少なくありません。

チートデイによるストレス発散は、ダイエットのモチベーション維持にも効果的です。チートデイに好きなものを食べて満足感を得ることで、「次のチートデイまでダイエットを頑張ろう」と前向きな気持ちになりやすくなります。

2-3.栄養バランスを整える

栄養バランスを整えられることも、チートデイのメリットの1つです。ダイエット方法によっては、身体に必要な栄養素が不足することがあります。ダイエット中に控えることが多い炭水化物・タンパク質・糖質などは、本来は健康維持に欠かせない栄養素です。また、ダイエット中は、食物繊維・カルシウム・鉄分・ビタミン類なども不足しがちです。

チートデイに好きなものを食べることで、不足しやすい栄養素を補いやすくなります。健康かつ美しく痩せるためにも、チートデイを設けて栄養状態を整えましょう。

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2-4.カーボローディングの効果がある

チートデイで糖質を補充することで、カーボローディングの効果が得られます。カーボローディングとは、運動に必要なエネルギーを効率よく補充できる食事方法です。カーボローディングの「カーボ」は糖質を意味します。

食事から摂取した糖質は、グリコーゲンとして肝臓中に蓄えられる性質があります。グリコーゲンは、身体のエネルギーが足りないときにグルコースに分解されてエネルギー源になる物質です。

糖質(カーボ)を身体に補充(ローディング)する「カーボローディング」を行うと、身体に十分なエネルギーを蓄えられて、運動のパフォーマンスを高く保てます。

ダイエットで効率的に体重を落とすには、運動をして消費カロリー量を増やすことが欠かせません。チートデイでカーボローディングをすると、強度の高い運動を継続して行えるようになり、ダイエット成功につなげられるでしょう。

3.チートデイの設定方法|チートデイのやり方

チートデイは、ダイエットの効率アップや心身の健康維持が期待できます。しかし、頻繁にチートデイを設けたり高カロリーなものばかり食べたりすると、リバウンドする可能性があります。チートデイのメリットを高めるためにも、正しいやり方で行いましょう。

ここでは、チートデイのタイミングや具体的なやり方について解説します。

3-1.チートデイのタイミングは「停滞期に週1回」

チートデイは、ダイエット停滞期のタイミングで週1回行うことがおすすめです。ダイエット停滞期とは、ホメオスタシス効果によりダイエット中の体重減少が停滞する時期を示します。停滞期に体重が減りにくくなる理由は、下記の通りです。

  • 体重減少により脳が飢餓状態だと思い込む
  • 飢餓状態から身体を守るために体重減少を抑える働きをする
  • 代謝が下がり脂肪を分解しにくくなる

ダイエット停滞期に入ると体重が減らず、焦りや不安を感じる人も少なくありません。人間の身体には、摂取カロリー量の減少が続くと飢餓状態から守るために体重減少を抑える機能があります。体重減少を抑える働きが見られるのは、「ダイエット開始から1か月後」や「5kg以上体重が減少したとき」です。ダイエット停滞期の期間は、2週間~1か月程度です。

ダイエット停滞期にチートデイを設けることで、身体は飢餓状態を脱したと判断し、再び体重が減りやすくなります。また、必要な栄養素の不足を防げるため、体脂肪燃焼効果を高めることができます。

チートデイの頻度は、徐々に伸ばすことがポイントです。ダイエットの進み具合や体調に合わせて、週1回・2週間に1回・月に1回など少しずつ実施日の間隔を伸ばしましょう。慣れてきたら、体重が減りにくくなったと感じるタイミングでチートデイを設けることがポイントです。

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3-2.チートデイで食べるものは「原則何でもOK」

チートデイに食べるものに決まりはありません。基本的に何を食べても問題ないため、好きなものを食べましょう。

チートデイはダイエットによるストレスを解消する手段でもあるため、ストレスの原因に注目してメニューを決めることも1つの方法です。「食べたいものを我慢している人は好きなものを食べる」「食事量を減らしている人は満腹になるまで食べる」など、ストレスを発散できる方法を意識しましょう。

チートデイにおすすめの食事内容は、下記の通りです。

  • 菓子パン以外のパン類
  • カレーライス
  • 焼肉
  • ステーキ
  • 果物

チートデイは、中途半端に食べるのではなくしっかり食べることが大切です。高カロリーなパン類や、野菜も一緒に食べられるカレーライスは、必要なカロリーと栄養素をしっかり摂取できます。スイーツを食べる際は、栄養価が高く食物繊維も摂取できる和菓子がおすすめです。

チートデイのカロリー摂取量の目安は、下記の計算方法で求められます。

基礎代謝量をもとに計算 基礎代謝量×3kcal
体重をもとに計算 体重×40~45kcal

チートデイの効果を高めるには、計画的にメリハリを付けて実施することがポイントです。まずは、自分の基礎代謝量や体重から、チートデイに摂取すべきカロリーを確認しましょう。

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4.チートデイを実施する際の注意点

チートデイを設けるとさまざまなよい効果が得られるものの、実施する際はいくつかの注意点もあります。チートデイの効果を正しく得るには、本来の目的を理解した上で行うことが大切です。

最後に、チートデイを実施する際の注意点を5つ解説します。

4-1.普段はストイックに食事管理する

チートデイの目的は「カロリー制限に慣れた脳をだまして停滞期を防ぐこと」です。カロリー制限を伴うダイエットが前提であり、カロリー制限に脳が慣れていない状態でチートデイを実施しても効果は得られません。

普段はストイックに食事管理をして、停滞期を感じたタイミングでチートデイを実施しましょう。

また、チートデイを実施する際はあらかじめ計画を立てて、1日限定で実施してください。食事量が多くなった日を「今日をチートデイにすれば大丈夫」と言い訳に使っても、チートデイ本来の効果は得られず、食事制限の意志も揺らぎやすくなります。

チートデイの正しい効果を得るには、チートデイもダイエットの一環であるという意識を持って取り組むことが大切です。

4-2.脂質や糖質が多い食材は避ける

チートデイで食べるものは基本的に何でもよいものの、ダイエット効果を高めたいのであれば避けるべき食材もあります。

避けるべき食材は「脂質や糖質が多い食材」です。脂質・糖質量が多い食品の例としては、フライドポテト・ドーナツ・菓子パン・ケーキ・スナック菓子などがあります。

脂質も糖質も、摂取しすぎると体脂肪として蓄えられる性質があります。ダイエット中の身体は飢餓状態であり、栄養を吸収しやすくなっています。チートデイであっても身体に脂肪はつけないほうがよいため、脂質や糖質が多い食材や食品は避けてください。タンパク質が多い肉類やビタミン豊富な野菜などを中心に、栄養バランスがよい食事を心がけることがおすすめです。

ただし、脂質や糖質が多い食材をまったく食べてはいけないわけではありません。どうしても食べたい場合は量を減らして、脂質や糖質の摂取を抑えながら満足感を得ましょう。

4-3.運動やトレーニングは休む

チートデイを実施した日は、運動やトレーニングは休みましょう。チートデイに運動やトレーニングを行うと、食事から摂取した糖質がすぐにエネルギーとして消費されます。カロリー制限に慣れた脳をだますことができなくなるため、停滞期を防ぐ効果が期待できません。肝臓にグリコーゲンがあまり蓄えられず、カーボローディングの効果も低くなります。

また、しっかり食べた後に筋トレや激しい運動をすると、内臓に負担がかかって胃もたれ・胃痛を感じやすくなります。

ダイエットのストレス解消やモチベーション維持をすることも、チートデイの重要な目的の1つです。チートデイには身体を休ませて、翌日から運動やトレーニングをまた頑張りましょう。

4-4.アルコールは控える

お酒が好きな人であっても、チートデイではアルコールを控えることがおすすめです。アルコールには筋トレの効果を低下させたり、脂肪の分解を抑制したりする働きがあり、ダイエットに悪影響を及ぼします。ダイエットの継続は意識する必要があるため、好きなものを食べてよいと言ってもアルコールは控えるべきです。

また、過度な飲酒をすると食欲を抑えられなくなり、食べすぎや二日酔いを起こす可能性があります。食べすぎや二日酔いは翌日にも影響が残ることがあり、運動・トレーニングの再開に支障が出る点にも注意してください。

4-5.体重が増加しても焦らない

チートデイを実施した翌日は、体重が増えたり身体のむくみを感じたりするケースがあります。チートデイ翌日に起こる体重の増加は、しっかりと食べたことで当然起こる身体の変化です。ダイエットを継続すれば再び体重は落とせるため、体重の増加で焦る必要はありません。

チートデイによる体重の増加は、ダイエットの再開によって3日程度で元に戻ると言われています。すぐに体重を戻せなくても不安に思わず、「そのうち体重が落ちるだろう」と気楽な心持ちでダイエットに取り組むとよいでしょう。

まとめ

チートデイには、基礎代謝の維持・ストレス発散・栄養補給などのメリットがあります。ダイエット停滞期にチートデイを実施すると、再び体重が減りやすくなります。チートデイを実施する際は、チートデイに摂取すべきカロリー量を計算し、計画的に行うことが大切です。

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