多くの人が子どもの頃に一度は経験のある縄跳びは、遊びやスポーツとしてだけでなくダイエット方法の1つとしても非常に優秀です。縄以外に特別な道具を用意しなくてもよい上に、運動に必要なスペースも少なくて済みます。誰でも気軽に取り組めて高い効果が期待できるため、「とりあえずダイエットを始めたい」という人に向いている方法です。
当記事では、縄跳びダイエットのメリットとやり方、効果が実感できない時にチェックすべき項目を解説します。
効率的かつ健康的に痩せるためには、有酸素運動を行いカロリーを消費することが大切です。有酸素運動と言えばウォーキングやエアロビクスダンスなどが代表的ですが、縄跳びも有酸素運動の1つでありダイエットに効果的とされる手段です。
ここでは、縄跳びダイエットの効果とメリットを詳しく解説します。
縄跳びの運動強度は、有酸素運動の中でも比較的高めです。運動強度とは、静かに座っている状態と比較して何倍の消費エネルギーが必要かを示した数値のことで、静かに座っている時を「1METs」と定義します。
1分間に飛ぶ回数にもよりますが、縄跳びの運動強度が8.8~12.3METsであるのに対して、ダイエットの手段としても代表的なランニングの運動強度は8METs前後となります。
縄跳びのほうがランニングよりも運動強度が高いため、短時間でカロリーを消費しやすい運動だと言えるでしょう。なお、運動消費カロリーは「1.05×METs×運動時間×体重」で算出できます。
縄跳びダイエットは、飛び方によってさまざまな部位の筋肉をトレーニングすることができます。特に下半身が鍛えやすく、例えば普通に縄跳びをするだけでも「大腿四頭筋」、つま先立ちのまま飛ぶようにすれば「下腿三頭筋」への効果が期待できるでしょう。
また、縄跳びは全身のバランスを取りながら行う運動のため、正しい姿勢を保つのを意識すると体幹を鍛えることにもつながります。
縄跳びは、ダイエット効果に加えて持久力の向上も期待できる運動です。縄跳びで肺や血管に適度な負担をかけることで、酸素を取り込んだり運搬したりする能力の増強が見込めます。
結果として心肺持久力が高まり、次第に長時間の運動に耐えられる身体を作ることができるでしょう。初めのうちはすぐに息が上がって苦しくなっても、定期的に縄跳びを行うことで次第に軽々と飛べるようになります。
縄跳びダイエットの動作自体は単純なものの、運動強度が高いため初心者が長時間続けることは難しいでしょう。初めのうちは無理をせず「2分飛ぶ+30秒~1分休憩する」というセットを繰り返し、1日20分程度を目安に行うと比較的続けやすくなります。
ここでは、縄跳びダイエットの飛び方を、縄跳び初心者向け・上級者向けに分けて紹介します。
ダイエットを目的とする場合は、普通の飛び方を継続するだけでも十分な効果を期待できます。下記は、比較的難易度が低い基本的な縄跳びのやり方です。
初心者の場合はシンプルな飛び方から始めて身体を運動に慣らし、縄跳びのリズムを身につけるとよいでしょう。また、下記の注意点を押さえることで、正しい姿勢を保ちやすくなります。
縄跳びを行う際は、フォームの維持を意識することが大切です。
初心者向けの飛び方が長時間続けられる・少し物足りないと感じる場合は、二重飛びに挑戦してみましょう。二重飛びは前飛びと同じように両足で着地しますが、一度ジャンプする間に縄を2回転させる飛び方です。二重飛びは前飛びに比べて難易度が上がり、カロリー消費量も大きくなります。ただし、二重飛びは運動強度も高いため、無理に挑戦して足腰を痛めないように注意してください。
下記は、二重飛びが成功しやすくなるポイントです。
初めから連続で成功させることは難しいため、まずは1回飛べるようになりましょう。最初は前飛びに織り交ぜながらコツをつかみ、徐々に二重飛びの比率を上げるとスムーズに二重飛びを取り入れられます。
縄跳びを続けていても痩せないときは、縄跳びのやり方やその他の要因によって効果が表れにくくなっている可能性があります。痩せない理由を取り除くことで、縄跳びによるダイエット効果を実感できるようになるでしょう。
ここでは、縄跳びダイエットをしても痩せない場合のチェック項目を4つ紹介します。
まずは、普段の食事を見直してみましょう。これまで運動をしていなかった人が縄跳びダイエットに取り組み始めると食欲が増加し、知らず知らずのうちに食事の量が増えているケースがあります。
運動強度の高い縄跳びダイエットは期待できる消費カロリー量も多めです。しかし、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまっては、痩せるどころか太ってしまう恐れもあります。ダイエットでは、食事の管理も重要です。
食べすぎを防止するためにはバランスのよい食事が効果的だと言われています。良質なタンパク質を摂取することは身体づくりにも好影響を与えるため、運動だけでなく食べるものにも気を使うようにしましょう。
有酸素運動でダイエット効果を実感したい場合、20分以上継続することが大切です。しかし、運動強度の高い縄跳びを20分続けることは非常に大変な上、縄跳びは比較的単調な運動のため、長時間飛び続けるのが退屈だと感じる人もいます。20分以上縄跳びを飛び続けるために、下記のような工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
縄跳びを飛ぶ際に正しい姿勢を保てていないと、ダイエット効果が下がります。また、間違った姿勢で縄跳びを行うと筋肉や関節などを痛めることもあります。特に、初心者のうちは脇が開きやすく、足元が気になって首や背中が丸まりやすいです。今一度飛ぶときのフォームを見直して、正しい姿勢を保ったまま飛び続けているかを確認しましょう。
また、つい頑張りすぎて息が上がったり、息を止めてしまったりすると、有酸素運動としての効果が下がります。ダイエット目的で縄跳びを行う際は、ほどよく呼吸が続けられる強度で継続することが大切です。
ダイエット方法には、個人の体質や体型によって向き不向きがあります。縄跳びは有酸素運動として高い効果が期待できるものの、その分強度も高く、下半身に強い衝撃と負担を与える運動です。体力が足りない場合は長時間の継続が難しく、体重の重い人が縄跳びを行うと膝や腰を痛めるリスクが高まります。
縄跳びをするのがきついと感じる人は、身体への負担が少ない別の方法である程度体重を減らしてから縄跳びダイエットに取り組むことをおすすめします。
運動強度の高い縄跳びは、効率的なカロリー消費とさまざまな筋肉を鍛える効果が期待できる、ダイエット向けの有酸素運動です。慣れないうちは長く飛べなくても、コツコツと継続することで次第に軽やかにジャンプできるようになるでしょう。
ただし、縄跳びの動作自体は単調なため飽きやすく、長時間・長期間継続するためには根気が必要です。また、自身の体力や体重によっては、他に適したダイエット方法があるかもしれません。
運動する習慣をつけたい人・より効果のあるダイエットを行いたい人は、フィットネスジムの利用を検討してみてはいかがでしょうか。