ダイエットにおいては、体重そのものよりも体脂肪率が重要です。しかし、体脂肪率が標準値だったとしても、自分自身が理想とするボディラインとは程遠いと感じる女性は少なくありません。
そこで今回は、体脂肪の概要から女性の体脂肪率の平均値・理想値、女性が理想とする体脂肪率に落とす方法まで解説します。
女性の体脂肪率の目安を知っていれば、目標とする体脂肪率に向けてダイエットやボディメイクに励むことが可能です。適切な方法で脂肪を燃焼し、体脂肪率を減らしましょう。
目次
そもそも体脂肪とは、皮下脂肪と内臓脂肪の総称です。皮膚の下につく脂肪を「皮下脂肪」、内臓の周りにつく脂肪を「内臓脂肪」と呼びます。
体脂肪が体重に対してどの程度の割合で蓄えられているかをパーセンテージで示した指標が「体脂肪率」です。現在の体脂肪を数値化することによって、身体の肥満度を客観的に判断できます。
家庭用の体脂肪計や体組成計を利用すれば、簡単に体脂肪率を測ることが可能です。
家庭用体重計の多くは、体内に微弱な電流を流すことで体脂肪率を計測する「生体インピーダンス法」が採用されています。そのほかには、「キャリパー法」などを用いることで体脂肪率を算出できますが、内臓脂肪を測れなかったり自宅では行えなかったりするため、あまり現実的ではありません。
スポーツジムであれば、家庭用よりも高機能な体組成計・体脂肪計を置いていることがあります。体組成計・体脂肪計がないなど、自宅で体脂肪率を測ることが難しい場合は積極的に利用しましょう。
体脂肪率は、健康的な観点から「低い」「標準」「やや高い」「高い」に分類することができます。体脂肪率の標準が、女性における体脂肪率の平均値と言えるでしょう。また、体脂肪の割合によって見た目の印象も変わってきます。
以下は、女性の体脂肪率の測定値ごとの判定と、見た目の印象をまとめた表です。
体脂肪率 | 判定 | 判定 |
---|---|---|
~19.9% | 低い |
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20.0~29.9% | 標準 |
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30.0~34.9% | やや高い |
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35.0%~ | 高い |
|
上記の表で言えば、体脂肪率20.0~29.9%が女性の平均値です。
なお、体脂肪の理想的な数値は年代ごとに多少異なります。一般的に痩せ型と見られやすい数値は、20代~30代では体脂肪率20%以下、40~50代では21%以下です。
ただし、あまり体脂肪率が低すぎると女性らしい身体のラインが失われてしまいます。美容目的で体脂肪率を落とす場合は、標準よりも少し下回る数値を目安とし、体脂肪率20~22%を目標に据えることをおすすめします。
体脂肪率が高すぎると生活習慣病につながる可能性があり、健康面にも好ましくありません。かといって、女性の場合は体脂肪率が低すぎても健康に悪影響が及びます。
体脂肪率が低すぎることによる、女性の健康への悪影響は以下が挙げられます。
体脂肪にはエネルギーを蓄えたり、女性ホルモンの分泌を助けたりする働きがあります。そのため、体脂肪率が低くなりすぎることはかえって危険です。美容や健康を目的とする場合は、体脂肪率を減らしすぎず、20%前後に保ちましょう。
健康管理やダイエットにおいては、体脂肪率だけでなく骨格筋率も重要な指標となります。骨格筋率とは、一般的に筋肉として認識されている「骨格筋」が体重に占める割合のことです。
以下は、女性の骨格筋率と判定をまとめた表です。
骨格筋率 | 骨格筋率の判定 |
---|---|
5.0~25.8% | 低い |
25.9~27.9% | 標準 |
28.0~29.0% | やや高い |
29.1~60.0% | 高い |
骨格筋は臓器を動かしている他の筋肉とは異なり、トレーニングなどで意識的に増やせます。骨格筋を増やすことで基礎代謝量を上げられるため、太りにくい身体を作ることが可能です。
自分の体型が肥満かどうかを測定する指標として、「BMI」があります。BMIとは、肥満度を判定する指標として国際的に利用されている体格指数です。
BMIで肥満度を判定するためには、まず下記の計算式に自分の体重・身長を当てはめてBMIを算出します。
BMI = 体重(kg)÷[身長(m)の2乗]
例として身長160cm・体重55kgの方であれば、BMIは約21.5です。
次に、算出されたBMIの数値をもとに肥満度を判定します。下記の表は、日本肥満学会が定めたBMIによる肥満度判定です。
BMIの数値 | 肥満度判定 |
---|---|
~18.5 | 低体重(やせ) |
18.5~24.9 | 普通体重 |
25~29.9 | 肥満(1度) |
30~34.9 | 肥満(2度) |
35~39.9 | 肥満(3度) |
40~ | 肥満(4度) |
ただし、BMIはあくまでも身長・体重から肥満度を簡易的に判定するものであり、BMIだけで自分が脂肪過多かどうかまでは判別できません。BMIと合わせて体脂肪率も調べることで、自分の体型についてより詳しく知ることができます。
BMIと体脂肪率の両方を使うことで、体型のタイプを下記の6パターンに分けて判定できます。自分の体型がいずれのタイプに当てはまるかを確認しましょう。
体型のタイプ | 判定基準 |
---|---|
やせ型 | BMI・体脂肪率がどちらも低い |
標準型 | BMI・体脂肪率がどちらも標準 |
ぽっちゃり型 | BMI・体脂肪率がどちらもやや高い |
肥満型 | BMI・体脂肪率がどちらも高い |
隠れ肥満型 | BMIは標準だが、体脂肪率が高い |
筋肉太り型 | BMIが高く、体脂肪率が低い |
6パターンの中でも、注意すべき体型のタイプが「隠れ肥満型」です。隠れ肥満型は、BMIが標準であるため見た目はやせているものの、体脂肪率が肥満型の方と同程度に多い点が特徴となっています。
隠れ肥満型の方は、全身の筋肉量が減少して、見た目では分からない内臓脂肪が増加している可能性があります。隠れ肥満型は、心臓病・動脈硬化疾患・糖尿病といった病気にかかりやすく、健康面のリスクが高い体型です。
隠れ肥満型の体型になる主な原因は、運動不足や偏った食生活です。隠れ肥満型に該当した方は、筋トレなどの運動習慣やバランスのよい食事を心がけましょう。
体脂肪率を落とすためには、食事に気を遣うことが最も大切です。タンパク質・脂質・食物繊維・炭水化物に注意した食事を摂ることで、体脂肪率を落としやすくなります。
脂肪燃焼のメカニズムとは?おすすめの運動や食生活の改善方法も
ここからは、体脂肪率を落とすための食事管理のポイントを4つ挙げ、具体的にどのようなことを実践すればよいかについても解説します。
ダイエット中の食生活は「PFCバランス」を意識しましょう。「PFC」とは、「Protein(タンパク質)」「Fat(脂質)」「Carbohydrate(炭水化物)」の頭文字をとった言葉です。
ダイエット中は食事のカロリー制限も大切ですが、カロリー摂取量を減らし過ぎると、脂肪だけでなく筋肉も分解されてしまいます。健康的で理想的な身体のラインを作るためには、十分な栄養素を確保したうえで、脂肪を落としつつ筋肉を育てる必要があります。
必要なカロリーや栄養素の量は、現在の体重や目標とする身体によって個人差があります。摂取カロリーは消費カロリーの90%程度とし、高タンパク・低脂質・中炭水化物を基本とした食事内容にしましょう。
体脂肪率を落とすためには食物繊維を取ることも重要です。食物繊維は食べ物の中に含まれる、人体の消化酵素では分解できない物質を指します。
食物繊維は消化に時間がかかるため、食物繊維が豊富な食べ物を積極的に取ることで消化がゆっくりと行われるようになります。消化による糖の分解・吸収もゆっくりと進み、食後の急激な血糖値上昇を抑えることが可能です。血糖値上昇がゆるやかになることで、血中の糖を脂肪へと変換する「インスリン」の過剰分泌も抑えられます。
食物繊維は、キャベツ・ゴボウなどの野菜やキノコ・海藻類に多く含まれています。18〜64歳における食物繊維の1日あたり摂取目標量は、男性が21g以上、女性が18g以上です。
炭水化物はご飯・パン・麺類などの主食に多く含まれる栄養素です。炭水化物は体内で糖質となって分解・吸収されるため、「炭水化物を取ると太る」と認識している方も多いでしょう。
しかし、炭水化物を無理に減らすダイエット方法は、身体に悪影響を与えるリスクがあります。炭水化物から作られる糖質は、脳や筋肉を動かすためのエネルギーであり、糖質が不足するとエネルギー不足で脳や筋肉が動きにくくなります。
体脂肪率を落とすためには、炭水化物を無理に減らさず、適量を摂取しましょう。玄米や全粒粉のパン・麺類など、食物繊維が豊富な食品を主食に選ぶことで、血糖値の上昇がゆるやかになり、太りにくくなります。
食べ物に含まれる栄養素だけではなく、食事の仕方も太りやすさにかかわります。体脂肪率を落としたい方は1口あたり30回を目安として、食べ物をよく噛んで食べましょう。
食べ物をよく噛んで食べることで脳の満腹中枢が刺激され、食欲が満たされやすくなります。控えめな食事量でも満足感を得られ、食べすぎを抑えることが可能です。
また、よく噛んで食べると唾液が多く出て消化が促進されるため、内臓にかかる負担を減らすことが可能です。内臓機能が良好であれば、消化・吸収に伴う基礎代謝量も向上するため、内臓脂肪を減らす体づくりにもつながります。
体脂肪率は極端に低くなると健康を害したり女性機能の低下リスクを高めたりする恐れがあります。ダイエットに取り組む際は、健康状態に配慮しつつ体脂肪を落とし、程よい数値を保つことが大切です。
ここでは、女性が理想とする体脂肪率に落とすための運動方法について紹介します。
理想的な体のラインを作りながら体脂肪率を落とすためには、筋トレを取り入れて筋肉量をキープする必要があります。
カロリー制限だけでも体重を落とすことは可能です。しかし、食事制限だけでは脂肪とともに筋肉も減ってしまうため、基礎代謝量が落ちます。痩せた後もずっとダイエット中の食事を続けられれば体重を維持できますが、厳しい食事制限を永続することは困難です。
筋トレをして骨格筋率を上げることで、基礎代謝量も上がります。筋肉量をキープするだけであれば、厳しいトレーニングを毎日行う必要はありません。身体のラインを崩さずに痩せることができるため、無理なくできる範囲の筋トレメニューを継続して行いましょう。
有酸素運動を週2回程度取り入れることで体力を維持し、燃焼する脂肪の量を増やせます。また、運動不足の解消に伴い得られる爽快感も、ダイエットを後押しするでしょう。
ただし、有酸素運動は脂肪を燃やすと同時に筋肉の分解を進めることもあるため、注意が必要です。筋トレを行うとある程度は筋肉の減少を抑制できますが、有酸素運動を過度に行いすぎると筋肉を育てる量よりも分解する量のほうが多くなります。
理想的な身体に近づきたい場合は、食生活に配慮しつつ、適度な筋トレと有酸素運動を取り入れましょう。
現代人は生活習慣が乱れやすい傾向にあり、生活習慣の乱れは体脂肪が増える原因にもなります。規則正しい生活を送れていないと感じる方は、生活習慣を見直して体脂肪がつきにくい身体を作りましょう。
ここからは、体脂肪を落とす上で押さえたほうがよい3つの生活習慣を紹介します。
まず食事は1日3食、朝・昼・晩に分けて摂りましょう。
食事を3回に分けて摂ることで、身体がしっかりと栄養を摂取できて、糖のゆるやかな吸収や筋肉量の維持が可能です。反対に食事の回数を減らしたり、無理な食事制限をしたりすると、食事の際にインスリンの分泌量が増加して脂肪がつきやすくなります。
1日3食の食事は、胃の消化が終わって空腹感をおぼえる5〜6時間ごとの間隔で摂ることがおすすめです。朝食は起床後1時間以内に摂り、昼食は朝食から5〜6時間後、夕食は18〜19時か遅くとも21時までに摂ることが理想的な食事時間と言えます。
日常的に飲酒している方は、アルコールを控えることもおすすめです。
アルコール飲料は意外とカロリーが高く、100gあたりでビールは40〜63kcal、赤ワインは73kcal、ウイスキーは237kcalもあります。
出典:文部科学省「第2章 日本食品標準成分表 PDF(日本語版)」
アルコールと一緒におつまみも食べる場合はさらにカロリー摂取量が増えて、肥満体型になりやすいため注意してください。
また、大量のアルコールを摂取すると、肝臓で中性脂肪の合成が行われ、内臓脂肪として蓄積されてしまいます。体脂肪を落とすためにはアルコールを控えて、飲むときもほどほどの量に抑えることが大切です。
睡眠時間が短い方は、太りやすい傾向にあると言われています。睡眠時間が短いと、筋肉の増加や体脂肪の分解を行う成長ホルモンが体内で分泌されにくくなるためです。
成長ホルモンは、子ども特有のホルモンというイメージが持たれているものの、大人になってからも分泌されています。成長ホルモンが最も盛んに分泌される時間帯は、22時〜2時と言われており、体脂肪を落とすためには睡眠時間をしっかり確保することが重要です。
また、睡眠中にはメラトニンの分泌量も増加します。メラトニンは、睡眠と覚醒のバランスを整え、ホルモン分泌のサイクルなども調整するホルモンです。メラトニンがしっかり分泌されると生活習慣のリズムが整えられるため、睡眠の質の向上につながります。
体脂肪率は、皮膚の下の皮下脂肪と内臓の周りにある内臓脂肪が、体重においてどのくらいの比率を占めているのかを表す数値です。
女性の場合、体脂肪率が高すぎても低すぎても健康によくありません。ダイエットとして体脂肪率を落とす場合は、体脂肪率20~22%を目標としましょう。
理想的な体脂肪率を目指すためには、バランスのよい食事を取りながら、筋トレや有酸素運動を日常生活に取り入れることが重要です。「JOYFIT24」では、女性が安心して利用できるようサービスの拡充に努めているため、お気軽にご利用ください。