身体にはさまざまな筋肉がありますが、中でも身体の内側の深い部分にあるインナーマッスル(深層筋)は、正しい姿勢を維持するのに欠かせない筋肉です。これから筋トレを始めようとしている人や、筋トレを始めたばかりという人の中には、「インナーマッスルにはどのような種類があるのか」「鍛える効果が知りたい」という人もいるでしょう。
当記事では、インナーマッスルの意味やアウターマッスル・体幹との違い、インナーマッスルを鍛える簡単メニューを紹介します。効率よく筋トレを行いたい人や、鍛える部位を明確にして筋トレに取り組みたい人はぜひご一読ください。
インナーマッスルとは、身体の深層部にある筋肉(深層筋)を指す言葉です。身体の内側の深い部分にあるため、身体の表層部にあるアウターマッスル(表層筋)のように外から確認することができません。
「動かす筋肉」であるアウターマッスルに対して、インナーマッスルは「支える筋肉」と言われています。「姿勢保持筋」とも呼ばれ、正しい姿勢の維持に必要な筋肉です。インナーマッスルが衰えると身体を支える力が弱まり、肩こりやコレステロール上昇などの痛みや病気の原因となる可能性があります。正しい姿勢を保ち、関節への負担を軽減させるためには、インナーマッスルを鍛えましょう。
「支える」という役割からインナーマッスルと体幹が混同されることもありますが、この2つは完全に同じではありません。インナーマッスルと体幹の違いは「定義」にあります。インナーマッスルは特定の筋肉の場所ではなく筋肉の「深さ」を指しており、全身に存在します。対して体幹は、身体の「場所」である胴体のことを指しているのが特徴です。
体幹筋は、お腹側と背中側にあります。お腹側には「腹直筋」「外腹斜筋」「内腹斜筋」「腹横筋」の4種類(腹筋)、背中側には「脊柱起立筋」「多裂筋」など複数の筋があります。
インナーマッスルを鍛えるメリットは、主に以下の3つです。
・姿勢が良くなる
腹部や背中などの体幹インナーマッスルを鍛えることで、背骨を支える力を強くする効果が期待できます。背骨を支える力が強くなることで姿勢が良くなり、さらには骨盤や関節の歪みが改善される傾向にあります。
・痩せやすい体質になる
インナーマッスルを鍛えると基礎代謝が上がります。基礎代謝とは、身体を動かしていない状態でも消費されるエネルギーのことです。基礎代謝が上がるとエネルギー消費量も多くなるため、痩せやすい体質になれるでしょう。
・内臓を正しい位置に戻せる
体幹インナーマッスルを鍛えることで内臓を支える力が強くなり、正しい位置を保てるというメリットがあります。下がっていた内臓が正しい位置に戻ると、ウエストや腹部をすっきりさせられます。
インナーマッスルは体幹や肩関節、股関節ごとにいくつか種類があり、それぞれ異なる役割を担っています。
ここでは、「身体のどこにあるのか」「鍛えるとどのようなメリットが得られるか」に注目して、代表的なインナーマッスルを5種類紹介します。
回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)は、肩甲骨と上腕骨をつなぐインナーマッスルで、「ローテーターカフ」とも呼ばれます。「棘上筋」「棘下筋」「小円筋」「肩甲下筋」という4つの筋肉から構成されています。
回旋筋腱板を鍛えると、肩関節が安定してスムーズに腕を動かせるようになります。そのため、野球やバスケットボールなど、肩関節の安定性が重要なスポーツでのパフォーマンス向上に大きく貢献します。また、怪我のリスク軽減や四十肩・五十肩の予防にもつながります。
腹横筋(ふくおうきん)は、腹部の一番深い場所にあるインナーマッスルです。肋骨から骨盤までの広範囲に位置し、コルセットのように腹部を覆って内臓を支える役割と腹部内圧を高める役割を担っています。
腹横筋を鍛えることで下記のメリットが期待できます。
多裂筋(たれつきん)は首から腰の脊椎にかけて背骨に沿うように存在するインナーマッスルです。背骨を安定させて正しい姿勢を維持したり、腰や腹部を安定させたり、体幹部を回したりする時に使われます。「胸多裂筋」「頸多裂筋」「腰多裂筋」という3つの筋肉で構成されています。
多裂筋を鍛えると、背骨が安定して猫背の改善・美しい姿勢をキープできるようになります。同時に腹部も安定するため、腰痛と怪我の予防になるというメリットもあります。
骨盤底筋(こつばんていきん)は骨盤の底にあるインナーマッスルのことで、複数の筋肉の集合体です。例えば、尿道や肛門、膣周りのインナーマッスルも骨盤底筋です。骨盤底筋には内臓を下から支えて正しい位置を保つ役割があります。加齢や妊娠、出産によって衰えやすい筋肉群です。
骨盤底筋を鍛えると、以下のメリットが期待できます。
腸腰筋(ちょうようきん)は、上半身と下半身をつなぐインナーマッスルです。「大腰筋」「小腰筋」「腸骨筋」という3つの筋肉から構成されています。腰から太ももの内側にかけて付着している筋肉で、姿勢維持や太ももを持ち上げる働きをしています。デスクワークなどで長時間座った状態を続けていると腸腰筋が硬くなりやすいため注意が必要です。
腸腰筋を鍛えると姿勢維持の力が鍛えられるため、腰痛の予防・改善につながります。また、歩く時に使われる筋肉のため、つまずき防止の効果が期待できます。
ここでは、トレーニング初心者でも実践できる簡単なトレーニングメニューを3つ紹介します。トレーニング効果を高めるために、下記の点に注意してトレーニングをしましょう。
ドローインとは、お腹をへこませたまま呼吸をして腹圧を高める体幹トレーニングかつ基本のバランストレーニングです。お腹周りの筋肉(腹横筋・腹斜筋)を効果的に鍛えられます。インナーマッスルを鍛えるとアウターマッスルにも力が入りやすくなるため、トレーニング前にドローインを行うことがおすすめです。継続してトレーニングすることで、お腹周りの引き締め効果が発揮されます。
【トレーニング方法】
【コツ・注意点】
プランクとは、体幹部のインナーマッスルを効率よく鍛えるのに有効なトレーニングです。太りにくい体質になる・姿勢改善などの効果が期待できます。ロープランク、ハイプランクなど色々な種類のプランクがありますが、今回は一番簡単で初心者が実践しやすいプランクを取り上げます。
【トレーニング方法】
【コツ・注意点】
スクワットは、脚のインナーマッスルに効果があるトレーニングです。脚だけでなく背中やお尻も引き締められます。
【トレーニング方法】
【コツ・注意点】
インナーマッスルは身体の内側の深い部分にある筋肉で、正しい姿勢の維持に欠かせない筋肉です。インナーマッスルには回旋筋腱板や腹横筋、多裂筋、骨盤底筋などの種類があり、それぞれ特徴が異なります。インナーマッスルを鍛えると姿勢の改善だけでなく、「痩せやすい体質になる」「内臓を正しい位置に戻せる」といったメリットが期待できます。
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