筋肉は筋トレやスポーツなどの運動を通して「破壊」と「回復」の過程を経て成長するため、筋肉の発達や筋肥大を望むのであれば適切な頻度で行うことが重要です。筋トレを毎日すること自体は問題ありませんが、理想的な頻度は1週間に2~3回程度とされています。
当記事では、筋トレの理想的な頻度や、頻度ごとにメニューの組み立て方を紹介します。自分に合った筋トレ頻度やメニューの組み立て方を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
筋トレを毎日行うこと自体に問題はないものの、筋肉の発達や筋肥大を望むのであれば適切な頻度が大切です。筋組織は筋トレを通して「破壊」と「回復」の過程を経て成長します。「超回復」と呼ばれるこの成長のメカニズムを理解した上で、自分自身に合った適切な頻度で筋トレを実施することが、筋肉の効率的な発達には重要です。
以下では、具体的にどれくらいの頻度で筋トレをすればよいのか紹介します。
筋トレに取り組む際、頻度はとても重要な要素です。筋トレを行うと筋肉は損傷し、その後の回復過程で筋繊維は太く、強く再生されます。この回復過程を「超回復」と言います。超回復によって筋肉が再生され、強くなる過程には相応の時間が必要です。
厚生労働省の生活習慣病予防のための健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、筋肉は疲労から回復までの時間が必要であり、筋トレは1週間に2~3回程度を推奨しています。さらに、米国スポーツ医学会のガイドラインで推奨している、健康な成人のための筋トレ頻度も週2~3回です。
筋肉の成長という目的で筋トレを行う場合、適切な栄養補給と休息が欠かせません。筋トレで損傷した筋肉の修復にはエネルギー源が必要です。タンパク質や糖質、脂質の摂取を適切に行い、筋肉を作り出すための材料を補給しましょう。また、筋トレ後に休憩を取り、十分な睡眠を確保することで成長ホルモンが分泌され、筋肉の修復が助けられます。
筋トレの効果を実感したいのであれば、筋肉の超回復を理解し、週2~3回の適切な頻度で筋トレを実施することが大切です。
筋トレを毎日すると習慣化しやすいというメリットがあるものの、以下のようなデメリットもあります。
筋肉の超回復は、筋肉が自力で修復してより強くなろうとする仕組みです。超回復が起こるまでの時間は約48時間と言われており、超回復が起こる前に疲れが残っている状態で筋トレを行っても、効率よく筋肉を鍛えることができません。
出典:福島県立医科大学学術成果リポジトリ「スポーツ医学から考える筋トレの意義: 14班 (医学セミナーの試み 2014)」
この期間を与えずに毎日筋トレを続けると、筋肉の修復が追いつかず、成果が得られなくなる可能性があります。
また、適切な休息を取らずに継続するとオーバートレーニング症候群のリスクを高め、疲労の蓄積やフォームの崩れにより筋トレの強度が低下しやすくなる点にも注意が必要です。オーバートレーニング症候群とは、筋トレやスポーツなどによって生じた疲れが十分に回復されない状態で、疲労が積み重なって引き起こされる慢性的な疲労状態のことを言います。
さらに、筋肉や関節の疲弊や消耗が進むとけがをするリスクも高まります。筋トレを行う際は、体調をしっかりと考慮し、適切な休息を取ることが大切です。
筋トレの効果を最大限に引き出すためには、夕方から夜の時間帯がおすすめです。身体の機能は昼から夕方にかけてピークを迎えるため、この時間帯に筋トレを行うと効果が高まると考えられています。体温が上昇し、神経も活発に働いている夕方には筋肉に刺激が入りやすく、成長ホルモンの分泌も増えて筋肉の修復や合成が効率よく進む傾向にあります。
一方、下記の時間帯はあまり推奨されていません。
早朝は身体がまだ温まっておらず、心臓に負担がかかります。また、就寝直前の運動は交感神経が活発になり疲労が残りやすくなるため、避けたほうがよいでしょう。食事の直後や極端な空腹時に筋トレをすると、消化不良を招くケースやエネルギーの確保が難しくなるケースがあります。
ただし、どの時間帯であっても、正しいフォームと回数、頻度であれば筋トレの成果に極端な差は出ないとされています。自分の生活リズムや体調に合わせて、最適な時間を見つけることが大切です。
筋トレを始める際、多くの人が迷うのは「どのようにメニューを組むか」です。筋トレは、自分に合った頻度とメニューで行うことが大切です。
筋肉の成長効果を期待するなら、トレーニングだけでなく適切な休息も欠かせません。全身をバランスよく鍛えつつ、筋肉をしっかりと休ませる時間を確保するには、1週間単位でメニューを組み立てたほうがよいでしょう。1週間ごとにメニューを組む方法は進歩状況を把握しやすく、筋トレの習慣化も促されます。
ここでは、週2日と週4日の頻度別で筋トレメニューの組み立て方を紹介します。
筋トレを週2日の頻度で行う場合、下記のようなスケジュール例が考えられます。
【週2日の頻度で筋トレを行う1週間のスケジュール例】
曜日 | パターン1 | パターン2 |
---|---|---|
月曜日 | 休み | 休み |
火曜日 | 休み | 全身トレーニング |
水曜日 | 休み | 休み |
木曜日 | 休み | 休み |
金曜日 | 休み | 全身トレーニング |
土曜日 | 全身トレーニング | 休み |
日曜日 | 全身トレーニング | 休み |
パターン1は週末に集中してトレーニングを行い、パターン2はトレーニングと休息日を交互に設定しています。おすすめなのは、パターン2です。筋肉が休養する時間を十分に設けることで、疲労を軽減しつつトレーニング効果を最大限に引き出せます。
週2回の筋トレでは、どちらの日も全身を鍛えるのがベストです。難しい場合は、上半身の日と下半身の日に分けてトレーニングしても問題ありません。
なお、上記の表はあくまで参考の1つです。自分の体調やライフスタイルに合わせて、最適なスケジュールを組みましょう。
週4日の筋トレを効果的に行うためには、筋肉の回復を十分に考慮しながら、部位ごとの種目を選んでメニューを組むことが大切です。筋肉の休息期間を考慮し、トレーニング部位を調整することでオーバートレーニング症候群となるリスクを下げられます。
【週4日の頻度で筋トレを行う1週間のスケジュール例】
曜日 | パターン1 | パターン2 |
---|---|---|
月曜日 | 胸+背中 | 胸+腹 |
火曜日 | 下半身 | 休み |
水曜日 | 休み | 下半身 |
木曜日 | 肩+腕 | 休み |
金曜日 | 胸+背中 | 背筋+腹 |
土曜日 | 休み | 休み |
日曜日 | 休み | 肩+腕 |
超回復の時間を考慮するなら、1つの部位につき3~5日は空けるペースが理想的です。週4日でトレーニングするのであれば、全身の部位を3分割もしくは4分割してメニューを組むとよいでしょう。上記スケジュールのように鍛える部位を細かく分けることによって、過度な筋トレを防ぎつつ高頻度でトレーニングを行えます。
筋トレ効果を最大化するためには、ただ適当にトレーニングメニューをこなすのではなく、計画的なアプローチが必要となります。年齢や性別、現在の筋肉量によっても適した筋トレは異なるため、自分の体調やライフスタイルに合わせた適切な頻度でメニューを組み立てることが大切です。
ここでは、筋トレをより効果的に進めるためのポイントを3つ解説します。
筋トレを行う際は、具体的にどの筋肉を鍛えるのかを明確に意識しましょう。運動の内容や目的を理解した上で積極的に取り組むと、筋肉を効率よく育てることが可能になります。この手のアプローチは「意識性の原則」として知られており、トレーニングの効果を上げる基本的な考え方の1つです。
また、特に大きい筋肉から鍛えると効果が目に見えやすく、モチベーションの維持にもつながるため、筋トレの順序もしっかりと考えてメニューを組むとよいでしょう。
ストレッチには、体を大きく動かす「動的ストレッチ」と体をゆっくり動かす「静的ストレッチ」があり、筋トレの前後で使い分けるのがおすすめです。
筋トレ前は、動的ストレッチで関節の可動域を広げ、筋肉を温めることでけがのリスクが低減し、パフォーマンスの効果を最大限に引き出すことが可能です。一方、筋トレ後は静的ストレッチを行うことにより、疲労した筋肉をリラックスさせ、筋肉痛の軽減や疲れを取る効果があります。ただし、強い痛みを伴うストレッチは炎症やけがの原因となるため、適切な強度で行うことが大切です。
適切な休憩を取ることで筋肉への刺激が最適化され、筋トレの効果が高まります。休憩が短すぎると疲労が抜けないうちに次のセットを開始するため、筋トレの強度が低下し筋肉への刺激が弱くなる恐れがあります。反対に休憩が長すぎると、筋トレの負荷が不足しかねません。筋トレ初心者は1分~1分30秒程度、習慣化してきたら2~3分程度が休憩の目安です。
筋組織は筋トレやスポーツなどの運動を通して「破壊」と「回復」の過程を経て発達するため、筋トレの理想的な頻度は1週間に2~3回程度と言われています。筋トレのメニューを組み立てる際は、適度に休息日を挟みつつ、自分の体調やライフスタイルに合わせて最適なスケジュールを組みましょう。
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