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    筋トレ時の正しい呼吸で効果が高まる!呼吸方法やNGポイントも紹介

    筋トレ中は、そのきつさからつい呼吸を止めたり、息切れによって不規則な呼吸になってしまったりするケースも少なくありません。しかし、呼吸を止めると酸欠状態になりやすく、呼吸の乱れは筋収縮による姿勢不良といった身体不調を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

    また、正しい呼吸は筋トレ効果を高めることにもつながります。そこで今回は、筋トレ中に正しい呼吸を意識するメリットから、基本の呼吸方法、筋トレ方法別の正しい呼吸方法、NGな呼吸方法まで詳しく紹介します。

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    筋トレ時の正しい呼吸で効果が高まる!呼吸方法やNGポイントも紹介

    1.筋トレ中に正しい呼吸を意識するメリット

    人間は日々、当然のように呼吸をしながら生活しています。「呼吸をする際は肺が動いている」と考える方も多くいますが、実は呼吸をすることによって動くのは肺ではなく「呼吸筋」と呼ばれる肩やお腹まわりの筋肉群です。つまり、呼吸は上半身全体の筋肉を使う行為と言えるでしょう。

    筋トレ中に正しい呼吸を意識すれば、自ずと呼吸筋トレーニングを行うこととなります。呼吸筋を鍛えると背筋が伸び、さらに呼吸がしやすくなるという好循環が生まれます。結果として、筋トレ効果や運動機能の向上にもつながるでしょう。

    また、筋トレ中に正しい呼吸を意識することにはその他のメリットもあります。ここからは、特に代表的なメリットを3つ紹介します。

    1-1.脂肪の燃焼効果が高まる

    人間は、呼吸によって取り込んだ空気に酸素が多ければ多いほど、エネルギー消費量が増加することが特徴です。

    正しい呼吸で筋トレをすることで、体中に酸素が行き渡りやすくなります。結果として、より負荷の高いトレーニング方法が可能となるほか、脂肪の燃焼効果も高まるでしょう。

    1-2.血圧の急上昇を防げる

    筋トレ中は集中するあまり、つい呼吸を止める方も多くいるでしょう。しかし、呼吸数が少なくなると血圧が上昇し、心臓や血管に大きな負担がかかる可能性もあります。

    しかし、筋トレ中に正しい呼吸をすることで、体内に十分な酸素を取り込めるようになり、血中の酸素濃度を高められます。結果として、酸欠による血圧上昇や運動後低血圧と呼ばれる症状の発生を防止できます。

    1-3.フォームが崩れなくなる

    前述の通り、呼吸筋は上半身全体に存在するさまざまな筋肉が大きく関係しています。筋トレ中の正しい呼吸を癖づけることによって、正しい姿勢や安定したフォームをキープすることが可能です。

    集中力も維持しやすくなり、フォームが崩れたり重たいものを落としたりすることによるけがの予防にもつながるでしょう。

    2.筋トレ時の基本的な呼吸方法2つ

    筋トレ時の基本的な呼吸方法としては、主に「胸式呼吸」と「腹式呼吸」の2つがあります。

    ここからは、胸式呼吸と腹式呼吸の概要を詳しく紹介します。それぞれ特徴や期待できる筋トレ効果が異なるため、「理想の体を効率よく目指したい」という方はぜひ参考にしてください。

    2-1.胸式呼吸

    胸式呼吸とは、2つの肋骨の間にある「肋間筋」を使って胸郭を広げ、体内に空気を取り込む呼吸法です。激しい運動・スポーツをした後に起こる、肩が上下に動くほどの浅く速い呼吸は、胸式呼吸に該当します。

    胸式呼吸は、「交感神経」を優位にできる点が特徴です。刺激を受けた交感神経は活性化され、血圧の上昇を促します。

    筋トレ・ストレッチだけでなく、身体動作の大きい有酸素運動をした際にも適していますが、普段の日常生活で胸式呼吸を行うと呼吸筋が疲労しやすく、血液の循環や内臓の動きが鈍化するおそれがあります。

    2-2.腹式呼吸

    腹式呼吸とは、胸腔と腹腔の境界にある膜状の筋肉である「横隔膜」を動かして、肺に酸素を取り込む呼吸法です。息を吸うとお腹が膨らむ・息を吐くとお腹がへこむという呼吸は、腹式呼吸に該当します。

    腹式呼吸は、「副交感神経」を優位にできる点が特徴です。刺激を受けた副交感神経は、体の緊張状態をほぐし、心身ともにリラックス効果を与えます。そのため、ヨガに適した呼吸法と言われています。

    また、下腹部を意識した腹式呼吸は、インナーマッスルを鍛えることにもつながります。

    3.筋トレ時の正しい呼吸方法

    筋トレ時に適した呼吸方法は、胸式呼吸です。胸式呼吸で筋トレをする際は、「筋肉の収縮時に息を吐き、伸展時に息を吸う」が基本的なリズムとなります。

    例えば腹筋の場合、力を入れて上体を起こす動作は腹直筋が収縮するため息を吐き、力を抜いて上体を下げる動作は腹直筋が伸びるため息を吸います。息を吐くときは交感神経が、そして息を吸うときは副交感神経が優位となるため、トレ―ニング効果を効率よくアップさせられるでしょう。

    また、鼻呼吸と口呼吸をうまく使い分けることもポイントです。鼻から空気を吸うことで、体内に酸素を大量に取り込めるほか、ウイルスや雑菌の侵入防止・肺への負担軽減にもつながります。吸った空気をすぼめた口から出すことで気管支が広がり、負担なく一気に吐き出すことが可能です。

    4.筋トレ中の呼吸方法をトレーニング別に解説

    筋トレ中の応用的な呼吸方法は、実施するトレーニングメニューによっても細かに異なります。

    ここからは、筋トレ中の呼吸方法や息を吸う・吐くタイミングについて、代表的な筋トレ種目である「スクワット」「クランチ」「プッシュアップ」「ベンチプレス」別にそれぞれ詳しく紹介します。

    4-1.スクワット

    スクワットをする際、膝を曲げてしゃがむときは大臀筋や大腿四頭筋などが緩むため息を吸います。膝を伸ばして立ち上がるときはこれらの筋肉が緊張するため、ゆっくりと息を吐くことが基本です。

    また、スクワットでは腹圧を高めて体幹を安定させるためにも腹式呼吸が推奨されています。呼吸しながら常にお腹に力を入れることで正しいフォームをキープできるほか、インナーマッスルも鍛えられるでしょう。

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    4-2.クランチ

    腹筋トレーニングの一種であるクランチでは、上体を起こす際に息を吐き、上体を伸ばす(戻す)ときに息を吸うのが基本です。

    息を吐くときは、目線をおへそに向け口をすぼめながら吐き出すことで、腹筋の収縮がより強まります。お腹の中にある空気を絞り出すようなイメージで、胸式呼吸によって一気に吐き出すこともポイントです。

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    4-3.プッシュアップ

    「腕立て伏せ」とも呼ばれるプッシュアップでは、地面側に体を下げる際に息を吸い、体を上げる際に息を吐くのが基本です。

    プッシュアップの際は体全体の姿勢をキープするためについ呼吸動作が止まりがちですが、正しい呼吸ができていなければ筋トレ効果を最大化できません。鼻から息を吸うときよりも口から息を吐くときに意識を集中させることで、呼吸のタイミングが取りやすくなるでしょう。

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    4-4.ベンチプレス

    ベンチプレスでは、バーベルを持ち上げる際に息を吐き、下ろす際に息を吸うのが基本です。

    力を入れてバーベルなどの重量物を持ち上げる際に一気に息を吐き出すことで、体幹の安定性がより高まり、軽い負担で持ち上げやすくなります。一気に息を吐き出すためには、胸の膨らみを感じるほど息を思いきり吸っておくこともポイントです。

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    5.筋トレ時のNGな呼吸法3つ

    次の呼吸法は、特に筋トレ初心者の方がやってしまいがちな「NG事項」にあたります。

    • 細切れに呼吸をする
    • 呼吸を止める
    • 口から息を吸う

    最後に、それぞれのNG項目について詳しく説明します。効率よく理想の体づくりを行いたいという方は、ぜひ参考にしてください。

    5-1.細切れに呼吸をする

    短い細切れの呼吸は、体幹の安定性や筋トレ効果を低下させる要因となり得ます。そのため、筋トレ時は「深く息を吸い込み、ゆっくりと長く息を吐き出す」ことを意識しましょう。

    ゆっくりと長く息を吐き出すことで、お腹周りの筋肉が鍛えられ、筋トレのパフォーマンスが向上します。

    5-2.呼吸を止める

    「全身に力を入れて集中するあまり息を吸うことを忘れてしまう」「呼吸を止めなければ力が入らない」という事態は、筋トレ初心者の方に起こりがちです。

    しかし、呼吸が止まると体内に酸素を取り込めなくなりエネルギー不足となるだけでなく、酸欠による転倒・けがや血圧上昇による体調不良を引き起こす可能性があり、非常に危険です。筋トレ中は、常に呼吸することを意識しておきましょう。

    5-3.口から息を吸う

    筋トレ中は、基本的に「口から息を吸う」のは避けましょう。口から息を吸うと、ウイルスや細菌が体内に侵入するおそれがあるほか、肺に負担もかかってしまいます。

    とはいえ、筋トレ時に最も重要なのは体内に酸素を送り込むことです。鼻から息を吸うことに慣れていない間や負荷の強いトレーニングを行う際は決して無理をせず、必要に応じて口から息を吸いましょう。

    まとめ

    筋トレの際は、胸式呼吸や「鼻から息を吸う・口から息を吐く」をポイントに正しい呼吸を意識することで、筋力トレーニングのパフォーマンス向上・血圧上昇の防止・安定したフォームの維持につながります。呼吸を止めたり細切れに呼吸したりするのはNGな呼吸法にあたるため、避けておきましょう。

    筋トレ上級者やトレーナーの呼吸を参考にトレーニングを実施したいという方は、自宅での筋トレではなくトレーニングジムでの筋トレがおすすめです。

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