スパイン・ヒップ・リフトは、仰向けに寝て腰と背中を持ち上げるエクササイズです。脊柱起立筋や大臀筋を効果的に鍛えられます。
スパイン・ヒップ・リフトのやり方は、両膝を曲げて床に足をつけ、腰をゆっくりと持ち上げた後、体を一直線に保つ姿勢を数秒間キープして最後にゆっくりと腰を下ろします。
姿勢改善や腰痛の緩和に役立つほか、下半身の筋力を高めることで、ヒップアップ効果も期待できるトレーニングです。当記事では、スパイン・ヒップ・リフトのやり方について詳しく紹介します。
スパイン・ヒップ・リフトは、spine(脊椎)・hip(脚の付け根部分)・lift(持ち上げる)の意味です。動作としては、仰向けに寝て腰と背中を持ち上げます。脊柱起立筋や大臀筋などを鍛えることが可能です。
また、スパイン・ヒップ・リフトは、体幹を鍛える効果もあるので、他のトレーニングの基礎体力作りにも役立ちます。
お尻を引き締めたい方や、背中の筋力強化を目指している方、腰痛予防を考える方にとって、スパイン・ヒップ・リフトはおすすめのトレーニング方法です。
スパイン・ヒップ・リフトでは、主に以下の3つの部位を鍛えられます。
・脊柱起立筋
脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)は、背骨に沿って縦に伸びる一連の筋肉群(腸肋筋・最長筋・棘筋)で、背中を支え、姿勢を維持する役割があります。体を前後に曲げたり、ねじったりする動作においても重要な働きをします。
・大臀筋
大臀筋(だいでんきん)は、お尻の最も大きな筋肉で、股関節の伸展や外旋に関与しています。日常生活の中では、歩行や階段の上り下りなどの動作を助ける重要な筋肉です。
・ハムストリングス
ハムストリングスは、大腿の後ろ側に位置する筋肉群(大腿二頭筋・半膜様筋・半腱様筋)で、膝の屈曲や股関節の伸展に関与しています。走る、ジャンプする、しゃがむなどの動作において重要な筋肉です。
スパイン・ヒップ・リフトにも、やり方がいくつかあります。正しいやり方で取り組むと、背中やお尻周りの筋肉にしっかり負荷をかけられるので、以下を参考にして実践してみてください。
スパイン・ヒップ・リフトは、最もベーシックな方法です。
1 | 仰向けになり、膝を曲げる。 |
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2 | 両足を肩幅程度に広げ、足の裏を床につける。 |
3 | 両手を体の横に置き、手のひらを下に向ける。 |
4 | お尻の筋肉に意識を集中させながら、腰をゆっくりと持ち上げる。 |
5 | 胸から膝までが一直線になるように、腰を最大限に持ち上げる。 |
6 | この位置で数秒間静止し、筋肉にしっかりと負荷をかける。 |
7 | ゆっくりと腰を下ろし、元の仰向けの姿勢に戻る。 |
8 | この動作を繰り返し行う。 |
まずは、1セット10回を目安にやってみるとよいでしょう。腰を高く上げるほど、背中への刺激は強くなりますが、腰への負担も同じく増えるので、様子を見ながら調整してみてください。
ワンレッグ・スパイン・ヒップ・リフトは、片方の脚だけで行うスパイン・ヒップ・リフトです。
1 | 仰向けになり、片膝を90度程度に曲げて床につける。 |
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2 | もう片方の脚は膝を伸ばして床から浮かせる。 |
3 | 両手は体の横に置き、手のひらを床につけて体を安定させる。 |
4 | お尻の筋肉に意識を集中させながら、腰をゆっくりと持ち上げる。 |
5 | 体の前面が一直線になる位置まで腰を持ち上げる。 |
6 | この姿勢を数秒間キープし、筋肉にしっかりと負荷をかける。 |
7 | ゆっくりと腰を下ろし、元の位置に戻す。 ※床には完全につけないように戻すと、より負荷がかかる |
8 | この動作を繰り返し実施し、片足が終わったら反対側の足でも行う。 |
ワンレッグ・スパイン・ヒップ・リフトは、通常のスパイン・ヒップ・リフトに慣れた方が取り組むトレーニングとしておすすめです。ゆっくりと動かし、腰を床につけずに繰り返すことで、筋肉により負荷を与えられます。
スパイン・ヒップ・リフトツイストは、その名の通りツイスト運動が入ったスパイン・ヒップ・リフトです。
1 | 仰向けになり、両膝を90度に曲げて床につける。 |
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2 | 両手を体の横に広げて、手のひらを床に向けて体を安定させる。 |
3 | お尻の筋肉に意識を集中させながら、腰をゆっくりと持ち上げる。 |
4 | 体の前面が一直線になる位置まで腰を持ち上げる。 |
5 | この姿勢をキープしながら、両膝を左側に倒して脇腹をひねる。 |
6 | 両膝を元の位置に戻し、今度は右側に倒して脇腹をひねる。 |
7 | 左右に膝を振る動作を合計8~10回(左右4~5回ずつ)繰り返す。 |
8 | 動作を終えたら、ゆっくりと腰を下ろし、元の仰向けの姿勢に戻る。 |
9 | 仰向けになり、両膝を90度に曲げて床につける。 |
腰を持ち上げた状態で膝を左右に振ることで、脇腹(腹斜筋)にしっかりと負荷を与えられます。スパイン・ヒップ・リフトツイストを行う際は、肩や腕が床から浮かないように注意しましょう。
スパイン・ヒップ・リフトは、自重トレーニングの1つです。自重トレーニングは、けがのリスクが少ない点や、気軽に筋トレできる点がメリットです。
以下では、スパイン・ヒップ・リフトで効果的に筋肉や体幹を鍛えるためのポイントについて解説します。
上半身が緊張していると、肩に余計な力が入り、可動域が制限されてしまいます。その結果、大臀筋を中心とした下半身の筋肉に十分な負荷がかからず、トレーニング効果が低下します。
意識的に肩の力を抜き、上半身をリラックスさせることで、下半身の筋肉に集中して負荷をかけることが可能です。どうしてもリラックスできない場合は、アロマを使ったり音楽を流したりするなどして、環境から整えてみるのもよいでしょう。
スパイン・ヒップ・リフトをはじめ、筋トレ全般に言えることですが、動作はゆっくりと行うことが重要です。勢いをつけて回数をこなすと、効果が減少するだけでなく、予期しない部位に負荷がかかりけがの原因にもなります。
特にお尻を上げるときと下げるときには、それぞれ2~3秒かけてゆっくりと動かすことを心がけましょう。
「動作はゆっくりと行う」と似た視点ですが、反動を利用すると、鍛えたい筋肉への負荷が減少し、スパイン・ヒップ・リフトの効果が得にくくなります。
少ない回数であっても、勢いに頼らず・反動を使わずに行うことで、しっかりと鍛えることが可能です。
鍛えたい筋肉を意識することは、筋トレ全般において重要と言われています。
スパイン・ヒップ・リフトの場合は、意識を大臀筋や脊柱起立筋に集中させることで、トレーニングへの集中力が高まり、正しいフォームを維持しやすくなります。
筋トレ時に呼吸を意識すると、 脂肪が燃焼されやすくなったり、正しいフォームを維持しやすくなったりすると言われています。
反対に呼吸を止めてしまうと、筋トレの効果が減少するだけでなく、酸欠やめまいを引き起こすことがあります。特にトレーニングの後半では、疲労から呼吸が止まりやすくなるため注意が必要です。
基本的には、負荷をかけるときに息を吐き、緩めるときに息を吸うことを意識するとよいでしょう。スパイン・ヒップ・リフトでは、お尻を上げるときに息を吐き、下ろすときに吸うようにしてみてください。
スパイン・ヒップ・リフトを行う際は、上半身をリラックスさせ、反動を使わず、ゆっくりと行うことが大切です。呼吸を止めず、大臀筋や脊柱起立筋を意識しながら、集中してトレーニングしてみましょう。
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